2018年5月20日日曜日

運用業界から見た腐女子のアナリスト適正

■運用業界から見た腐女子のアナリスト適正
 投資雑誌等では、女性に株よりもFXを進める傾向が強くあります(当社調査)。女性へのインタビュー等でも、株は難しいor調査とかよく分からないといった回答・まとめられ方が多く、女性は株に向かないといった意見が半ば通説として浸透しているように見受けられます。

 しかし、この通説には疑問が残ります。例えば、腐女子・歴女といった方々がみせる資料発掘能力やフィールドワーク力は、いわゆる個別株アナリストにとって必要な能力であり、これらの能力が活かせることは想像に難くありません。クオンツを代表とした定量的な分析が主流になっている今、個別株アナリストに求められる能力を振り返るためにも、本稿では腐女子のアナリスト適正を検討してみたいと思います。
 なお、腐女子といっても幅が広くありますが、話が広がりすぎるため今回は「推しに対する熱意を資料調査にぶつけられる人」とし、詳細な定義は割愛させて頂きます。


■アナリストに求められる能力
 個別株アナリストに求められる能力としては、概ね下記のようなものが考えられます。社内外の調整能力等もありますが、業務そのものに直結しないものは今回排除しています。

 ・資料処理:大量の資料の掘り起こしや精査をどれだけこなせるか
 ・フィールドワーク:必要な情報を集めるために行動できるか
 ・想像力:資料に記載されていない事柄を推察できるか
 ・構成:事実と解釈を組み合わせ、結論まで一貫したストーリーを構築できるか

 企業の分析をする際にあたっては、当業界・業種に関する情報だけではなく、仕入れ・販売先の業界等についてもフォローしておく必要があります。そのため、真面目にやろうとする程、処理する資料は際限なく増えていくことになります。
 フィールドワークというとBtoBでは難しいのではと思うかもしれませんが、昔のアナリストが工場の前に張ってトラックの数を数えて売上を推測したという話は(事実かはさておき)、フィールドワークによる情報収集のわかりやすい例かと思います。早い話が、開示・調査されていない情報を集められるかということです。

 そうやって資料を処理していき、最終的には何らかのストーリーを構築し、その企業の評価を下すことになります。これは、資料内の点と点を結びあわせること作業になりますが、企業が資料に全てを記載することはまずなく、記載されていない部分についてどこまで推察できるかが重要になってきます。
 この点に関しては、現在のクオンツ的なアプローチではフォローできず有意に劣後するため、業界の動向的にも重要性が増している部分になります。


■腐女子のアナリスト適正
 それでは、上記の項目をもとに腐女子の方々の適正を考えてみましょう。直近の分かりやすい例として、とうらぶファンの事例を参照してみます。

 まず資料処理に関する能力ですが、アニメ等で流行すると関連する書籍等の売上が伸びることは周知の事実で、実際とうらぶの流行にあわせて刀剣関連の書籍に特需が起きていました。また、入手が困難な古い文献であっても図書館で借り、推しに関する記述が数ページあるという理由だけで全く関係ない書籍を手に取るという点に関しては、大量の資料を発掘・精査するアナリストにとって望ましい能力になります。
 同様にフィールドワークに関しても、とうらぶの人気に比例する形で各地の博物館に訪れる事例は多々あり、一部では実際に日本刀を打ちに行くところまで確認されています。日本刀を打ちに行くことに比べれば、工場の前でトラックの数を数えるのも大した苦労には入らないでしょう。

 また、腐女子の方々の生態を観察していますと、公式では存在していない設定・情報を自らの解釈の元生み出す傾向があります。これは会社の出した資料をもとに、自分なりの解釈を加えて有報等に乗っていない情報を浮かび上がらせるようなもので、アナリストにとって必要な業務を日常的に行っていると言えるでしょう。
 解釈の違いで争いが起きることもありますが、そもそも評価というものは人によって異なるもので、実際個人投資家はいつも争っているため特に問題なく、むしろ周りに影響されず自分の意見を押し通せるのは長所と考えられます。

 こうして見てみますと、腐女子の方々は日常的にアナリストの業務を行っているようなもので、極めて適正が高いと判断してもよいと思われます。特に、数字として出てくる前の段階からピックアップできるという点に関しては、現在の個別株アナリストが直面している、クオンツとの差別化という面で大きなメリットがあります。もちろん、全ての腐女子が普遍的に適正が高いわけではありませんが、人材のプールとしては十分に広いと言えるのではないでしょうか。
 個別株アナリストの業務も「推しを探して提案すること」と言い換えることができますので、むしろ腐女子の方々から学ぶことを検討すべきかもしれません。

 現在、個別株アナリストは厳しい状況におかれています。しかしこれは調査業務面での問題と言うよりは、事業・運用面での比重が大きくあります。特に数字が出た後のボラの高さを踏まえるに、今後はいかにしてクオンツサイドを上手く利用できるかといった、運用面での立ち回りにも着手することが求められています。この状況を変えるために、今回のように新しい角度での検討を進めていく必要があるのではないでしょうか。

 納得できない?じゃあ、お前らコエテクのファンマネ会長にパフォで勝てるの?( ・ㅂ・)

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