2018年3月15日木曜日

ポジティブフィードバック

■オーバーフィッティン
 最近こういう記事が出ました。

生身のトレーダーにAIが負けた2月-株式急落で月間ベース過去最悪
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-13/P5IHO86S972901

 問題なのはここ。

「JPモルガンによれば、AIファンドは、トレンドをフォローするCTAとの相関性がますます高まっており、過去1年では約80%に達している。」

 掲載されている画像を見る限りでは、確かにAIファンドとCTAの相関が↑になってます。ただこの記事に対して、「トレンドフォローは優秀だからAIもそっちに寄っている」的なコメントが散見されていたのですが、個人的にはいやそういうことじゃないでしょと思いましたので、メモ代わりにブログに残しておこうかと思います。
 

■何が問題か
 本件での個人的な見解としては、「トレンドフォローが優秀だからAIが採用した」ではなく、「AIモデルの利用者が激増したことで、過去データに対するオーバーフィッティングと自己強化サイクルが発生し、その結果としてトレンドフォローとの相関が高まった」というものになります。
 何でこんな話になるかと言えば、皆が同じモデル・論文をベースにする→過去成績の良かった手法を皆が使う→自己強化で特定の手法の成績が更に良くなる→皆が更に同じ手法に傾倒する→ループという、おっ10年くらい前にも似たような光景見たなこれ、という話の結果がこの記事と判断したからです。

 似たようなモデルや論文をベースにした参加者が増えすぎると、異なった調整をやっていたところで群としての方向性が固定されるため、大体皆同じ方向に突き進むことになります。この流れに乗ることでパフォーマンスが伸びるのも事実で、むしろある程度乗らないといけないのですが、意図的にパフォーマンスを落とすような調整をしないと、フォワードテストやっててもハマるため、いつの間にかオーバーフィッティングになって死にます。

 そして何でトレンドフォローに寄るのかと言えば、PBRみたいなLSだとある程度スプが縮小されたら自動的にリバランスされるので限界がありますが、トレンドフォローにはそんな限界がないのでどこまでも走り続けることになるからです。なので、自己強化が自己強化を呼ぶモードに突入してしまうため、気がついたら皆これやってるという状態になります。


■良いか悪いかはさておいて
 この問題は早い話がハーディングと同じなので、対象や形式が変わったとしても、構造的に何度でも同じことを繰り返します。ファンダの個別株とかでもよく見る光景ですね。とはいえ、こういったことに文句をつけたところで意味はありませんし、リターンを出すという観点から見ればヨッシー並に都合の良い友人となってくれます。

 皆がクオンツに傾倒していくと、こういった事例が増えることになりますし実際増えています。なので、モメンタームモメンターム市場がおかしいと叫ぶよりも、Mr.Marketも年を取って性格が変わったねくらいに思っておけばいいんじゃないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿