2016年4月2日土曜日

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
松尾 豊
KADOKAWA/中経出版
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■どういう本?
 昨今騒がれている、機械学習・人工知能の基本的な部分をまとめてた本です。著者が研究者ということもあり、夢見がちな内容の本とは違い、基本的な部分をきちんと抑えた内容となっております。初心者向けには最適の本かと思われます。


■どういう内容?
 人工知能の開発の歴史や、どういった技術で成り立っているのかを説明してます。特徴量や機械学習って何ぞ?という点も説明してくれているので、基本的な知識をカバーしたい方にはお勧め。他には、皆大好きDeep Learningの説明や、なんで今までの人工知能(もどき)が上手くいかなかったのか、そもそも何が課題なのかを一から追いかけてます。特に、何でDeep Learnigが凄いと言われているのかについては、結構ページを割いております。

 人工知能の技術的な説明に加え、今後どういった分野で利用されるのか、逆に世間が言っている程バラ色の未来が来るわけでもないということについて触れており、研究者の方らしいニュートラルな立場となっております。


■Summary
 人工知能の基盤となるのは特徴量と機械学習。特徴量とはAというものはこういうものであるというのを示す単位で、機械学習とは特徴量に基づいてもの同士を分ける境界線をどうやって引くのかを試行錯誤する技術。
 今までの人工知能が上手くいかなかったのは、知識というものの定義が難しく、できるケースであっても規模が大きくなると処理できなかったから。
 Deep Learningが凄いのは、今まで経験的にしか定義できなかった特徴量を機械的に抽出できる点。ただし、あくまでも特徴量を抽出するだけで、それ自体が何を示すのかについては、Deep Learingでは定義できないことには注意が必要。
 
 人工知能の基礎となる技術は、学術的な研究成果が公開されており、独自の工夫による差を生み出すのはかなり難しい。
 人工知能は産業の形を変えると言われているが、実際には付加価値の高い特定の産業に転用されることはあっても、置き換えのコストが高い産業や不確定な状況下での判断が伴う業務は置き換えるのが難しいだろう。


■まとめ
 まさしく初心者向けという内容で、基本的な部分を抑えたいという方にはこれ以上ない書籍です。もうちょっと突っ込んでいくと、RecognitionとIdentificationとClusteringの違いが云々とか、高次の特徴量出してもカーブフィッティングが云々とか、分けられるけど判断は別だよねとか言い出すことになるんですが、誰も幸せにならないので触れないで正解かと思います。
 この本を読むと「Deep Learning始めました」とか「人工知能始めました」というプレスリリース出す会社の評価が一気に変わりますので、テーマじゃなくてファンダで投資対象を絞りたい方は必読。

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