2015年5月21日木曜日

死にゆく手法と蘇る手法:Part3

■レミングの行進
 まずは、手法自体の優位性(内部的優位性)について考えてみましょう。こちらは何らかの理論・仮説に基づいた優位性であり、それ故再現性が高くなっています。一方で、その再現性の高さから、模倣しようとすればある程度できてしまうという欠点があります。
 この優位性の推移については、下記の図をイメージして頂けると話が早いかと思います。



 ピークの位置に関しては、手法によって上下左右動くことになりますが、基本的にはこういった凸型のグラフになるかと思います。
 左右の端にいくにつれ優位性が低下していますが、これは 「誰も同じことをやらない」場合と「皆が同じことをやる」場合には、手法の優位性が消失していくという話です。

 「誰も同じことをやらない」場合ですが、要は銘柄に対する自分の評価と、他の投資家の評価が全く異なるという状態です。手法の独自性は大切なのですが、株価が期待した方向に動くためには、他の投資家も自分と同じ方向に資金を入れる必要があります。
 従って、他の投資家の判断と被っている部分が少なすぎると、「いつまでたっても期待した方向に株価が動かない、もしくは逆行していく」という状態に陥りやすくなります。

 では「皆が同じことをやる」場合はどうでしょうか。こちらはイメージしやすいかと思いますが、要は皆が同じことをやれば過当競争に陥るという話です。競争が激しくなるにつれ、他の投資家よりも一歩早く行動しないといけなくなり、最終的にはリターンそのものが無くなった状態となります。競争が激しい業種で利益率が低くなるのと同じ問題ですね。

 この辺りの考え方については、手法がどうこうと考えるよりも、カードゲーム等でのメタゲームを想像して頂いた方が話が早いかと思われます。

 名だたるメンバーを集めたLTCMも、手法をパクったファンドが大量に現れたことでアービトラージ戦略の優位性を失いました。現在であれば、プレスリリースに合わせて買いを入れる手法が過当競争に陥っています。どんな手法であれ、皆が同じことをやろうとする様は、崖に向かって全員で突進する行為に似ています。

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